2016年10月11日
日本取締役協会・監査等委員会設置会社研究会(座長 井口武雄*注1 )は、2014年(平成26年)改正会社法により導入された、監査等委員会設置会社への移行企業が多数に上る中、我が国における今後の監査等委員会の監査の展望を占う上で、参考となると考えられる、海外の主要国の監査委員会の実務を紹介し、我が国の実務の検討に活用することを目的として、「監査等委員会の監査の展望~取締役が行う監査について~」を作成いたしました。
<監査等委員会の監査の展望~取締役が行う監査について~>
監査等委員会設置会社は、従来、我が国の上場会社の多くを占めた監査役会設置会社と異なり、取締役によって構成される会議体である監査等委員会が監査を担う点に特徴があります。そして、監査等委員会の監査の在り方については、同じく取締役によって構成される会議体である諸外国の監査委員会(audit committee)の監査との関係をどのように考えるべきであるか等について、未だ検討するべき点が多いと考えられます。
また、資本市場のグローバル化という背景の下、日本と主要国は法的フレームワークに差異があるものの、ソフトローとしてのコーポレートガバナンスの枠組みや任意の取り組みによって、国際標準ともいうべき類似した運用に収斂する傾向があると考えられます。
本報告書は、海外の主要国の監査委員会の実務を紹介するものであり、監査等委員会設置会社に移行した日本企業が、法的枠組みを超えたベストプラクティスを目指す上での一助となることを期待しています。