2016年10月26日
日本取締役協会・投資家との対話委員会(委員長 髙須武男*注1 、経営者報酬ガイドライン・統括 阿部直彦*注2 )は、安倍晋三内閣の成長戦略によるコーポレートガバナンス・コードに明記された、経営者報酬の部分について、企業の実質的な対応に資するべく、経営者報酬ガイドライン(第四版)を更新しました。
本ガイドラインは、2005年の第一版より継続して、グローバルにも通用する先進的な内容を企業の参考とするために作成してきたものです。コードには、これまで主張してきた「報酬方針の開示、中長期のインセンティブ報酬、報酬決定における独立取締役の関与」等が含まれ、各企業も対応を開始したことは大きな前進となりました。
改定にあたり、日本が競争すべき先進国である、英米独等の報酬ガバナンス規制と互角なガイドラインとすべくアップデートを行いました。
主な変更点としては、短期・中長期の企業業績・株主価値と報酬の増減をより強力に連動させる実質的な仕組みや支給額根拠の開示の強化、この数年問題が指摘されている不適切会計や投資失敗に基づく巨額損失発生に対し、報酬の払い戻し(クローバック)を強制するリスク管理メカニズムの導入、最後に報酬ガバナンスの担い手である報酬委員会の独立性と専門性の強化を上げました。
日本再興の視点から、本ガイドラインが、JPX400の選定やGPIFの投資先企業に対するエンゲージメント基準の参考になることを希望し、また各企業において導入され、経営者を鼓舞することを通じて実質的な報酬ガバナンスが進展し、中長期的な株主価値創造が実現されることを望みます。