2025年1月27日
日本取締役協会・指名委員会等設置会社制度の改善に関する研究会(座長:淡輪 敏 三井化学株式会社 取締役会長)は、会社法で選択可能な3つの機関設計のうちの1つである指名委員会等設置会社制度について、独立社外取締役が過半数を占める会社においては、指名委員会の権限の見直しを求める提言を、法務省に対して提出いたしました。
2024年6月21日政府が公表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版」に、「コーポレートガバナンス改革について、指名委員会等設置会社制度の運用実態の検証と改善検討を含め、継続して進める」という文言が入り、企業のコーポレートガバナンスの質の向上に大いに貢献し、グローバル標準に最も近いとされる指名委員会等設置会社制度について、検証・改善の動きが現在見られます。これを受けて当協会では、大学教授・企業経営者・機関投資家などからなる研究会を組織して、省庁などによるオブザーブもいただきながら、4回の研究会での議論を通して、本提言をまとめました。
提言では、モニタリング・モデルを志向する企業にとって、指名委員等設置会社がより選択しやすい機関設計とするために、独立社外取締役が過半数を占めている場合には、企業での経営権の最高機関である取締役会が、経営トップを含む取締役候補指名の最終権限を持つことで、監督機能を更に強く発揮できる制度へと改善することを提案しています。
ハードローである会社法においてまずこのような見直しを行い、次のステップではソフトローであるコーポレートガバナンス・コード改定などと連動させることにより、結果的に指名委員会等設置会社への移行が促進され、日本企業でのコーポレートガバナンスの実質が更に高まることが期待されます。