2021年9月15日
磯崎功典(キリンホールディングス 株式会社 代表取締役社長)
太子堂厚子(森・濱田松本法律事務所 パートナー 弁護士)
企業経営の改革に取り組むトップランナーに日本企業のあり方をうかがうインタビューシリーズです。今回のゲストは、日本取締役協会の「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2020大賞」を受賞したキリンホールディングスの磯崎功典社長です。磯崎さんは日本企業としていち早く「CSV経営」を取り入れ、その実践を目指す中でガバナンス経営の重要性を実感したと言います。ビール事業で培った醸造技術から医薬品事業、そしてヘルスサイエンスに領域を広げるキリンでは、失敗を恐れぬ挑戦とそれをきちんと監督するガバナンス体制が今の経営を支えています。
太子堂:今年1月の「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー」の大賞受賞、おめでとうございます。受賞理由の中で磯崎さんがCSV(Creating Shared Value)を掲げ、社会課題を解決することによって企業の成長と財務的価値を拡大するというテーマに先頭に立って取り組んでいるとありました。御社の経営理念を拝見しますと、「長期経営構想KV2027」において世界のCSV先進企業になるという高い目標を掲げているのも、大変印象的です。CSVという考え方を経営の中核に据えようとお考えになった、きっかけや原点はどのようなものだったのでしょうか。
磯崎: 私はビール業界に携わるなかで、このアルコール業界は本当に未来永劫、ずっと成長し続ける業界なのかということを考えていました。ビールもいいし、アルコールもいいけれども、将来はもっと社会に寄り添い、その課題に対して、我々が持つ強みをもって解決していかなければならないと思っていたのです。
一方でCSR(Corporate Social Responsibility)にも取り組んできたのですが、CSRはどうしても経済価値には結びつきにくいのが実情です。しかし、日本では昔から「三方良し」という言葉があります。お客様や会社も大事ですが、ステークホルダーとして社会も重要だという考え方です。そうした社会を意識した経営をしていかなければいけない、という思いだったのです。ただ、これは最初、なかなか理解して頂けませんでした。
太子堂:米国のビジネス・ラウンドテーブルが2019年に企業の目的に関する声明(Statement of the Purpose of a Corporation)を改訂して、株主主権からステークホルダー重視へ舵を切る一方、我が国では「三方よし」の心得に示されるように、歴史的にステークホルダー全体の利益が重視されてきたと語られることも多いので、なかなか理解されなかったというのは意外です。
磯崎:言っていることは正しくても、それを実践している会社は、当時の日本ではなかったからです。当社がCSV経営を取り入れることを決断したのは2013年ですが、その前年に経営学者のマイケル・ポーター ハーバード大教授とお会いする機会を得ました。そこで「我々としてはやりたいのですが、日本ではまだ形がないので悩んでいます」とお話ししたのです。すると先生は「ビジョンとは、自分たちが考えるよりもずっと高くて遠い山にあって、そこに向かうようなものだ」と話してくださいました。そのためには何を考え、どういう人材や資源が必要かを考えなければいけないとおっしゃったのです。先生は早口でお話しされたのですが、たぶんそういう内容だったと思います(笑)。
その年の12月にキリンホールディングスの取締役会があり、そこで私はCSVを経営に取り入れたいと提案したのです。私は当時、事業会社のキリンビールの社長でしたが、案の定、取締役会ではあまり理解されませんでした。ところが、これに賛成してくれた人たちがいたのです。それが社外役員の方たちでした。それから少しずつ経営に取り入れるようになりました。そのうちに社会も変わり始め、今ではESG(環境・社会・企業統治)投資や、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれるようになりました。
太子堂:時代がようやく追いついてきたという感じですね。御社のホームページを拝見すると、CSVコミットメントとして、グループ全体での社会的価値創出の具体的な目標値とその進捗状況が開示されていて、取組みが見える化されていますね。
磯崎:その後、マイケル・ポーター教授からニューヨークで講演を頼まれた際、現地の法律事務所や会計事務所の人たちから「CSVによるメリットを数字で示すべきだ」とアドバイスされました。それが現在のコミットメントにつながっています。最初は社員も戸惑っていましたが、あれから8年が経ち、役員や部長、課長、社員がそれぞれに目標を持って実践しており、かなり浸透しています。
太子堂:御社のコーポレートガバナンス・ポリシーには、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業になる」という「2027年に目指す姿」の実現を効果的・効率的に図ることができるガバナンス体制を構築すると謳われています。そのような目的を実現するためのガバナンス体制として、どのような点を重視されているのですか。
磯崎:執行側と社外役員では視点が異なります。私たちはどちらかというと、いわゆるエグゼキューション(執行)で懸命にやっていますが、社外役員の方は当然、私たちがしていることをモニタリングするのと同時に、「世の中はこう動いていますよ」と、私たちとは違う感性、違う視点で意見を言ってくれます。ですから、いわゆるスキルマトリックスというか、キリンでずっと育ってきた人ではなくて、様々な経験をされてきている人材が必要と考えています。
例えばヘルスサイエンスを展開するとなると、ヘルスサイエンスの知見のある人が必要です。また、新たなイノベーション創出に向けてDX(デジタルトランスフォーメーション)を強化するときには、その知見を持った人が必要です。DXでしたら、NTTドコモの社長をやられた加藤さん、ヘルスサイエンスだったらエスエス製薬の社長をやられた塩野さんに社外役員になっていただきました。今後も一層グローバル視点が必要ですので、外国人の方2人に入って頂き、私たちとは全く違う観点で指摘してもらっています。
太子堂:会社が目指す姿の実現に向けて、どういう知見の人がボードにいたらいいのかを考え、それに資する方をお招きして、魅力的で多様性のあるボードを構築しているということですね。
御社はミャンマーで事業展開されていますが、今回の国軍のクーデターに関しても、取締役会において難しい判断を迫られたのではないでしょうか。
磯崎:日本人がミャンマーを見る視点と、(植民地支配をしていた)英国の人がミャンマーを見る視点は、全然違います。私たちは国軍系企業と現地で合弁事業を展開していましたが、相手先との合弁解消を決断し、現在、交渉を進めています。日本と欧米の政府の動きは違います。そうした社外役員の指摘もあって判断しました。グローバルの視点で経営を見ていかないと、我々だけが内部でやっていたら議論はどうしてもハイレベルにはなりません。「世界のCSV先進企業」に向けて、社外役員の方たちのお力を借りてやっていこうということです。
実際多様なボードで経営を実行することは難しいし、厳しいですよ。それは執行側だけの従業員から上がってきた役員ばかりの時代の方がやりやすかったに決まっています。しかし、そんなことをしていたら、絶対、高い目標は達成できません。
太子堂:御社では社外取締役が取締役会議長をされていますが、社外取締役が議長に就いたのはいつの時点ですか。
磯崎:2016年からです。ちょうどその前年にブラジル事業で多額の減損を計上しました。2010年に投資して17年には売却してしまったのですが、これを契機にもっと社外取締役に投資案件も含め、あるいは事業ポートフォリオの見直しなどでも積極的に参画して頂くことによって、より透明性を高めていかなければいけないと判断しました。
太子堂:監督機能の強化の観点で、我が国でも社外取締役を取締役会の議長とする企業は次第に増えていますが、2016年というのは早いですね。ブラジル事業を売却するのは、厳しい経営判断だったと推察しますが、そのようなご経験の中で、社外取締役の声をより積極的に取り入れようとした要因は何だったのですか。
磯崎:大型のM&A(合併・買収)を実行するときは、当然みんな燃えるんですよ。突き進んでいきがちです。ただ、その時に冷静な社外役員の方の目が必要です。社内の取締役が中心だと、社長がやりたいと言うと引きずられてしまいがちですから。社外の方は多様な目でブレーキをかけます。
社外役員の役割は、ある種、株主の代表のようなところがあるので、そういう役割を果たしてもらいたいと思いました。株主というのは大型投資をする時、大変厳しい見方をします。私は前々からそうしたガバナンス体制が必要だと思っていて、昨年には社外取締役を取締役会の過半数にまで増やしました。
太子堂:自社の事業ポートフォリオ等にマッチしたスキルセットを特定して、多様な人材を社外役員として招聘するのに道半ばの会社も多いですが、御社ではどのような対応をされているのですか。
磯崎:私たちが必要としている知見をスキルマトリックスで「見える化」し、人材リストに基づいて面談をしています。最終的には指名・報酬諮問委員会で決定し、取締役会で承認するという手順です。それを株主総会で人事案として提案します。もう私の手からは離れているのです。
社外の人を人数に入れるのは、物理的には可能ですが、重要なのはその道のプロというか、キリンが必要としているスキルマトリックスに入れていかないといけないと考えています。スキルマトリックスによって経験や能力、知見などを「見える化」することで、株主も判断しやすくなると思っています。
太子堂:社外取締役が、取締役会の議長を務めたり、事業ポートフォリオの見直しなどの経営上の課題について実効的に議論に参加し、監督機能を発揮するためには、社外取締役に会社の経営戦略について精通してもらう必要がありますが、どのような取り組みをされているのでしょうか。
磯崎:社外役員の方には十分な情報提供をしています。毎月、キリンビールやキリンビバレッジなどの事業データをご提供しています。どうしても取締役会というのは時間が限られています。そのため取締役会とは別に、いわゆるオフレコで議事録を取らないような場も設けています。個別にやるという時もあります。もちろん取締役会の前には個別に全部ご説明します。例えばヘルスサイエンス領域をテーマにポートフォリオをどうするかといったことを取締役会とは別に意見交換を行い、情報を事前に提供しています。
太子堂:そういう取組みを通じて、実効的に議論に参加して頂けているのですね。
磯崎:取締役会の社外役員の方たちは、責任が重くなりますよね。知らなかったでは善管注意義務違反になってしまいますから。それだけに、皆さん真剣に議論して頂いています。
太子堂:グローバルな事業展開をする企業グループの純粋持株会社として、御社では、どのようなアジェンダを重視して取締役会を運営されているのですか。
磯崎:基本的には、ホールディングスの単なるKPI(重要業績評価指標)だけを見ていても分からないので、もっとブレイクダウンしたところで、それぞれの事業会社がどうなっているかのモニタリングをしています。その動向がうまくいっているのか、あるいはうまくいっていなかったら、なぜなのかを議論します。それからリスクマネジメントが大変重要だと考えています。ボラティリティなどの中で、ある意味で私たちは一種の仮説を立てて事業を進めているわけです。事業戦略というのは仮説で、その検証をずっとしていく、それが私はモニタリングだと考えています。その時にこういうKPIを設けてやっていて、それを達成しているか、いないのか。そこには当然、様々なリスクもあります。そうしたリスクがどうなっているかを全部チェックしていくということです。
太子堂:グローバルなリスク管理にも重点を置いて、モニタリングされているわけですね。
磯崎:今回のミャンマー事業も含めてそうです。これを全部やっていく。あるいはアルコール問題がどうなっているか、医薬の問題、品質問題がどうなっているか、あるいは地政学上のリスク、地震が起きたらどうするか、データが漏洩してしまったらどうするかとか、いろんな観点から見ていく。これが社外役員の方が一番気になっているところではないでしょうか。
事業はちゃんと回っているかどうかということで、ホールディングスの数字を見て、うまくいっているとなるとシャンシャンになってしまいます、これではダメです。裏に隠されている何かリスクがあるのではないかということまでチェックが必要です。隠しているという意味ではなくて、私たちが知り得ない、気付かなかったリスクが結構ありますから。
太子堂:経営環境の変化のスピードが上がり、不透明性が高まっている中で、現場からのボトムアップでは上がってこないような、顕在化していない経営上の重要なリスクについて、取締役会においてどのように適時にこれを把握し、経営としての議論を深めるのかについては、多くの企業において課題になっているように思います。御社では、社外取締役の意見も踏まえて、様々な角度でリスクのチェックをされていると理解しました。
磯崎:さらに私たちの会社では、監査役の方も取締役会に加わります。もちろん監査役として経営を監督するわけですが、いろんな知見、例えば厚労省出身の方に従業員の労働問題などでも意見を伺ったりしています。さらにはポートフォリオですね。事業ポートフォリオは常に一定ではなく、環境によって変動するので、そういうものもきちんと議論していく。ある社外取締役の方からは「私は長い間、いろんな会社の社外役員をやっていますが、ここまでポートフォリオを議論する会社はなかった」と驚かれました。
太子堂:取締役会では以前から事業ポートフォリオについても議論をしていたのでしょうか。
磯崎:ポートフォリオを真剣に議論し始めたのは昨年ぐらいからですね。正直にいうと、それまでのキリングループは低収益事業を抱えていて、株価も低迷していました。いわゆる被買収リスクを抱えていたわけです。本来はもっと早くにヘルスサイエンス事業に舵を切っていきたかったのですが、その前にすべきことがあった。ブラジル事業と豪州飲料事業、それに国内飲料事業のキリンビバレッジです。豪州は今年1月に売却を完了しました。実はキリンビバレッジについても米コカ・コーラへの売却も含め、再編を検討していました。それが報道され、キリンビバレッジで危機感が高まり、社員が本気になって事業構造改革に取り組んでくれた。それまで営業利益率が1.5%と低かったのですが、それがすぐに3%、そして5%となり、昨年はコロナ禍がなければ10%くらいまで上がるところまで行きました。これで低収益事業の再生・再編が完了したので、本格的にヘルスサイエンス事業に取り組むことになりました。
太子堂:本格的にポートフォリオについても取締役会で議論する土壌が整ったということですね。
磯崎:新しい領域に入っていくことになるので、間違った入り方をしてはいけないとの思いがあります。社外役員の方からも様々な意見を頂戴したかったので、特にガバナンスを強化したということです。その前までは、とにかくスキルマップよりも何よりもやらなければいけないことがありました。
執行責任は自分にありますが、社外役員が過半数を占めていますから、今では社長の私を解任することも簡単です。7対5の多数決で社長解任を決議できますから。社内出身の役員はもしかしたら私を守ってくれるかもしれませんが、もはや社外が過半数ですから、関係ありません。それだけに私は決まったことについては必死になって会社を引っ張っていきますが、事業ポートフォリオなどについてはいろんな角度で社外役員の方と議論していきたいと考えています。
太子堂:そうした中でCEOの任期は設けていないと伺いました。磯崎 今年3月の株主総会の招集通知状に「社長の任期を設けない」と書きました。それはどういう意味かというと、きちんとパフォーマンスをあげていない、CEOとしての振る舞いではないとなれば再任されないということです。私も昨年11月にきちんと指名・報酬諮問委員会の方たちの前でプレゼンをして、それを委員長が取締役会にかけたうえで、再任の人事案が議案に盛り込まれました。以前は任期がまだ残っているなどとされましたが、とくにCEOの選解任については透明性を確保すべきだと思っています。そうした透明性を確保していれば、株主提案についての諾否でも納得が得られると考えています。
太子堂:昨年、御社の株主総会には、英国のファンドから非ビール事業からの撤退を求める株主提案がありました。食から医にわたる領域で価値を創造するという成長戦略の是非を問う内容でしたが、株主との対話も含め、どのような姿勢で臨んだのでしょうか。
磯崎:そういう時でも、社外取締役ときちんと議論しています。私たち社内役員だけでお手盛りで拒否を決めても、なかなか通用しない。ガバナンスの効いている会社だということで、株主の皆さんからご評価頂きました。スキルマトリックスできちんとした経歴をお持ちの社外役員が客観的に判断しているのが大事なのです。とくに海外の投資家はガバナンスの体制を重視します。当社のボードの顔ぶれを見て、社外が過半数を占め、かつ外国人も女性もきちんと入って多様性も確保している。日本でも最近はそうした流れが強まっていますが、海外の投資家を訪問すると、そうしたガバナンスの体制を良く見ていると感じます。
太子堂:御社のコーポレートガバナンス報告書には、世界のCSV先進企業となるためには新たなイノベーションが必要であり、そのイノベーションを実現する組織能力の基盤として「多様な人材と挑戦する風土」を掲げておられます。確かに、御社のビジネスモデルを拝見すると、ヘルスサイエンスもそうですが、常にチャレンジする土壌があるように思います。
磯崎:何でもやらせてみる、そして責任は私が取る。私自身が若い頃からずっとそうやってやらせてもらってきましたし、失敗の方が圧倒的に多いです。私は成功体験というのはそんなに多くはないのです。今になってみれば失敗から学ぶことの方が多かったのです。そうしないと会社の活力は出ません。会社が潰れてしまうような致命的なことはダメですが、例え失敗しても二度とやらないよう、どこに問題があったかを皆と共有する。ヘルスサイエンスだって失敗はあるでしょう。私たちが医薬事業に入ったのは今から40年前です。いろいろ失敗はあったでしょう。しかしながら、まもなく1千億円の利益を稼ぎ出すレベルまで成長しました。これは大変なことだと思います。今から110年前に発酵・バイオテクノロジーで創業したビール事業。40年前に発酵・バイオテクノロジーを駆使して参入したのが医薬、そしてまさに次の成長として、発酵・バイオテクノロジーを通じてヘルスサイエンスへの段階に入りました。それをガバナンスの効いた体制で監視する。それが当社の今の形だと思っています。
太子堂:マイケル・ポーター教授らが2011年に提唱して以降、社会課題の解決にこそビジネスチャンスがあり、CSVの実践が競争力の源泉であるという考え方は広がりをみせていますが、「世界のCSV先進企業となる」という高い目標を掲げ、これを実現するために、多様性と独立性の高い取締役会の構築を含めた、コーポレートガバナンス体制の強化を推進されてきた磯崎さんのお話には、強い信念を感じることができ、大変感銘を受けました。本日はお忙しい中、貴重なお話を頂き、大変ありがとうございました。(敬称略)
磯崎功典
キリンホールディングス 株式会社 代表取締役社長
1977年キリンビール入社。神戸支店業務課、米国留学を経て、99年キリンホテル開発運営の「ホップインアミング」総支配人、2004年サンミゲル社(フィリピン)副社長などを経て、2010年キリンホールディングス常務取締役に就任。12年キリンビール社長、15年より現職。
太子堂厚子
森・濱田松本法律事務所 パートナー 弁護士
1999年東京大学法学部卒業、2001年弁護士登録、森綜合法律事務所(現・森・濱田松本法律事務所)入所。会社法、コーポレートガバナンス、紛争解決等専門。主な著作として、『Q&A監査等委員会設置会社の実務』(株式会社商事法務、2016)ほか多数。カンダホールディングス社外監査役、ジュピターテレコム社外監査役、ピジョン社外監査役。